肺動脈絞扼術 までその②(出生後に 血便 が出る)

2022年3月6日

左心低形成症候群のゆうた君は生まれて5日目で 血便 が出てしまい、1週間で 肺動脈絞扼術 (肺動脈バンディング)を行うことになりました。この記事ではそうなった経緯についてお話しします。

目次

・21トリソミーの検査を受ける
・生まれてからの状態は?
・生後5日目に血便が出る
・肺動脈絞扼術を行うことになる

今回は上記の4つのテーマについてお話しします。

ダウン症(18.21トリソミー)の検査を受ける

妊娠中に出生前診断を行っていなかったため、

ゆうた君が生まれてから18トリソミー、21トリソミーの検査を受けることになりました。

検査を受ける前に新生児科の主治医より説明をうけたのですが、ダウン症と診断された心疾患の子の手術は難しいそうです。日本小児循環器学会雑誌より、「18トリソミーの心臓手術」論文↓
http://jpccs.jp/10.9794/jspccs.35.277/data/index.html

ゆうた君は手術を受けないと生きられないのに、
もしダウン症と診断されたら手術を行っても成功率は低い。

希望をもっていいものなのか、、、不安な一日を過ごしました。

結果は検査を受けてすぐその日に解決できました。

結果はダウン症ではないとの事

ほっとしてまた号泣しました。😢

生まれてからの状態は?

お腹の中の心臓には「卵円孔」という穴があり、生後2~3日くらいでこの卵円孔は閉じてしまいます

お腹の中にいる間は、赤ちゃんは羊水の中ですよね。
なので、赤ちゃんの肺は機能していません。
そのため、卵円孔という穴が心臓のお部屋とお部屋をつないで、赤ちゃんの体全身に酸素が送られるようになっています。

図があるとわかりやすいですかね↓
https://www.fmu.ac.jp/home/int-med1/PFO.htm

※心臓の仕組みについては病気紹介の所で書いているので、見てみて下さい。
先天性疾患( 左心低形成症候群 )のゆうたくんー病気紹介ー – ゆうたのママパパ頑張り奮闘記! (yu-tanblog.com)

なので、ゆうた君も生まれたばかりの時はお鼻の酸素はついておりましたが、(Spo2)血中酸素濃度が90%と高めでした😀

母乳(初乳)も搾乳パックに詰めたものをお口のチューブからゆうた君にあげることが出来ました。
しかし、うんちがなかなか出ず、看護師さんがすごく細い棒で浣腸をしてくださいました。


ゆうた君の担当をされていた看護師さんは新人の方で、先輩看護師さんに聞きながらされていました。

看護師さんもベテランの方と新人の方がいて当たり前です😤

最初から上手な手さばきで何でもこなせるわけではありません。しかし、親としては新人さんを応援しながらも複雑な心境で見守ってしまいますね😅応援するのみです✊

また、眠っている間に保育器の中で黄疸の治療を受けました。

前回の記事で紹介したように、ゆうた君は体重2144gで低出生体重児として生まれてきたため、ビリルビンの青い光を受ける治療が必要になりました。

低出生体重児は肝機能が未発達で、神経細胞が傷害を起こしやすい為、光を受けてビリルビンを外に排出する治療する治療を受けました。下が黄疸治療時の様子です。(青い光は大人でも目に悪いのであまり見ないようにと看護師さんに言われ、写真にはとれませんでした。)おめめを隠してぐっすり眠っています。↓

※ちなみにオムツは一番小さい3Sサイズです。(市販ではあまり売っていません。)それでもまだまだぶかぶかですね😊

※ついでに体についている管の説明をします。お鼻は酸素を送る管。口はミルクを送る管。胸の赤と黄色は心拍を図る管。手は点滴を送る管。針の部分を安定させるために板を貼ってあります。足に血中酸素濃度を測る青の管。右足も点滴の管がついています。点滴の種類は数種類あったと思いますが記憶があいまいです。🙇‍♀️

点滴ではプロスタグランジンを使用していました。
これは、血管を広げる作用があり、通常生後閉じてしまう心臓の管(動脈管)からの血流を維持するために使用します。

生後5日目に血便が出る

新生児科の主治医より、うんちに血が混ざっていた(血便)と報告がありました。浣腸を行った際に傷ついてしまったかもしれません。絶食にして様子を観察してみますとの事でした。その後、次のうんちでは血が混じっていなかったようです。

その後

小児循環器科の主治医よりお腹からの出血による血便の可能性があるとのお話がありました。肺へ送られる酸素量と体へ送られる酸素量のバランスが悪いと血便が出ることがある為、肺への血流を制限する肺動脈絞扼術(肺動脈バンディング)を行う必要があると説明がありました。

パパママは新生児科の先生と小児循環器科の先生がおっしゃっている内容が違い困惑😱

しかし、肺と体への酸素量のバランスが悪くないと言い切れないことから肺動脈絞扼術をすることに決定しました。

小児循環器科は体全体を考えるお医者さんですね。
ママは心臓病なので心臓だけの事しか考えていませんでしたが、心臓病の大事な点は、心臓は酸素を送り出して体全体を動かす中心のものであり、全身のバランスが悪いとほかの臓器も異常を起こすという事です。心臓って本当に中心的存在ですね😲

出産前に、肺動脈絞扼術を行う可能性がある事は心臓血管外科の先生より説明は受けていたのでやっぱりするのか、と思いましたが、2100gくらいしかない低体重での手術だし、生まれて間もないので不安は募るばかりです。

2月19日、パパママそれぞれ情緒不安定になり、一緒にいることが賢明だと判断。ママは産後7日で退院予定の所を5日で退院し、パパと一緒にいる事にしました。



そして夜に心臓血管外科の先生より肺動脈絞扼術の説明がありました。説明内容は手術での外科的な内容と、心停止や脳出血などの合併症や死亡率のお話でした。その合併症の種類が多くてなんというか、、受け入れがたかったです。実際にそれぞれの合併症が全体の数パーセント程度発症する事があるとはお伺いしましたが、絶対にないという事ではありません。

お話を伺った後、手術の同意書にサインを書きます。(手術の同意書には2人のサインが必要になります。)


ゆうた君は赤ちゃんだし、手術を受けるかどうかなんて本人は言えるわけないので親が代理でサインしました。ゆうた君本人はどうしたいかはわからないけど、手術をしないと死んでしまうし、パパとママとしては生きてほしいので私たちの意思で書きました。サインをした分、パパとママはゆうた君を楽しませないといけませんね。😉

パパとママに出来ることはゆうた君を信じる事しかできませんでした。



それ以外何もできなくてもどかしかったですが、本当に自分たちに出来ることがないので仕方ありません。。

肺動脈絞扼術を行うことになる

2月20日、生後6日目肺動脈絞扼術を行うことになりました。
当日、朝9時過ぎにはNICUを出発だったので、少し前にNICUにパパママそろって行きました。
ママはまだまだ歩くのがつらい為、病院の車いすを借りての移動です。

看護師さんから抱っこされてくださいねとパパママそれぞれゆうた君を抱っこでき、写真撮りますね、とパシャリ。

パパママは、なにこれ最後の記念写真みたいにとってくるけど😅って二人とも思いました。

でも生まれたばかりの心臓の手術ってそれくらいリスクがあるという事なんでしょうね😖

笑うこともできず、パパママは涙をこらえながら写りました。本当に全然笑ってないですね。


つづきはこちらです。

肺動脈絞扼術 当日からその後(1つ目の心臓手術) – ゆうたんのママパパ頑張り奮闘記! (yu-tanblog.com)